野手転向5年目で一気に大ブレークを果たした2014年。年が明け、新しいシーズンを前に
雄平は腕ぶしている。“2年目のジンクス”のような大活躍の反動や相手バッテリーの厳しい攻めも恐れてはいない。
「気にしません。去年もシーズン中にはいたちごっこのように配球を考えたり対策を練ったりしていましたし、やることは同じ。意識することなく、いろいろなことに惑わされず、ただボールに集中していくことが一番大事だと思う」
昨シーズンは、秘められた抜群のセンスが覚醒した。東北高時代はメジャー球団も注目した剛腕の夢を断念し、野手転向を決断したのが09年オフ。以降、攻守走に一から取り組み、右ヒザ前十字じん帯断裂の大ケガも乗り越え入団12年目でプロ最多の141試合に出場し打率.316、23本塁打、90打点とブレークした。
厳しいマークを跳ね返すべく、新シーズンへ雄平が掲げるのは、攻守走すべてのレベルアップだ。打撃面では、さらなるパワーアップに加え確実性を求める。センター一本で勝負するため、課題の守備面も秋季キャンプから精力的に練習をこなしている。
船出する真中新監督は、雄平を新四番に置く構想を持っている。
「四番は固定したい。
バレンティンと並んでも足の速い雄平ならば併殺打も少なく、相手バッテリーは嫌だと思う」と指揮官。勝負を避けられることが多いバレンティンを塁に置き、長打で得点力を上げる役割が新シーズンの使命だ。
重圧の中でより勝負強い打撃が求められるが、「実績がないから、四番を打ちながらレベルアップしたい」。いまだ秘める無限のパワーを解き放ち、最強打者を目指す。