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三嶋一輝投手・先発枠を勝ち取り、再起を果たす

 



 一心不乱に汗を流した。1月13日、神奈川県厚木市。昨年に引き続き、三浦の自主トレに弟子入りした三嶋一輝だ。午前8時から標高284メートルの白山を登りキャッチボール、ペッパー、ノック、坂道ダッシュ。「これだけ期待されて裏切ったのは、自分でもショックでした。何としてもやり返したいですね」。精力的にメニューを消化すると、静かな口調で復活への思いを打ち明けた。

 ルーキーイヤーの一昨年に6勝を挙げ、エース候補として注目を浴びた。しかし、期待値込みで開幕投手を務めた昨季は8試合で1勝2敗、防御率10.88と大炎上。厳しいプロの世界で、一軍に居場所はなくなっていった。「僕にオフはない。休んでいる暇はない」。同期入団で、事あるごとに比較されてきた井納翔一は11勝とブレーク。先発ローテーションに返り咲くために、猛練習を自身に課した。

 奄美大島での秋季キャンプを終えた昨年11月末、向かったのは故郷の福岡だった。ヤフオクドーム前の百道浜海岸を走り、徹底して下半身を強化した。「走れるより、投げられる体をつくらなきゃいけない」。約1カ月間、毎日欠かさず。74キロだった体重も見直し、目標の80キロへあと2キロまで増量している。

 今季のスターター、特に右投手は手駒が豊富だ。中畑監督は久保、山口、井納、モスコーソを4本柱として計算。三浦、高崎、柿田らと残り1、2枠を争う立場となりそうだ。「1年間ダメでしたけど、僕なりのプライドや自覚はあります。失った信頼を取り戻したい」。直球とスライダー、新球・チェンジアップにも手応え。裸一貫、3年目にかける思いは半端ではない。
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