週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

炭谷銀仁朗捕手・“優勝”&“盗塁阻止率1位”を目指して

 



 今オフ、球界の中でも高い注目を集めたのが、昨季途中に国内FA権を取得した炭谷銀仁朗の権利行使か否かだった。2010年の負傷による長期離脱以外、09年から正捕手の座を確保し続けてきたが、昨季は圧巻の打撃力を誇る高卒新人捕手・森が後半戦に台頭。優勝戦線から離脱していたチーム状況、“若手育成”という球団方針などが相まって19歳捕手に先発マスクを譲る試合も増えてきていた。

「移籍濃厚」が大方の予想だったが、悩み抜いた末、「自分がメーンでマスクをかぶって優勝していないし、このチームで優勝したい」と残留の道を選んだ。「優勝することで(残ってくれて)ありがとうって言ってもらえればいい」。この選択を『正解』にするためにも、まずはチームでつかむ“優勝”のタイトルを是が非でも取りにいく。

 当然、個人としての飛躍、成長も胸に期す。今季は森との正捕手争いになることは必至だ。だが、現時点では経験値からいっても、炭谷が第一捕手であることは確かだ。“打”の森に対し、リードや守備面における実力差をはっきりと示したい。

 特に、細川(現ソフトバンク)のFA移籍から、「負けたくない」と、当時の光山コーチと徹底的にこだわってきた盗塁阻止率には絶対的な自信を持つ。残念ながら表彰を受ける個人タイトルではないが、12年.416、13年.444と、ダントツの数字でリーグリーダーに輝いた。

 今季もさらに高い数字を追求することは言うまでもない。「具体的な数字の目標は特には決めていないですが、梨田(昌孝)さんの記録(.536)がありますから」。リーグ最高記録を塗り替え、『西武・炭谷銀仁朗』の名を球史に刻みたい。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング