昨年の12月17日に24歳になったばかりの
則本昂大。年齢的には若手の部類に入るが、その右腕がチームを引っ張ることこそが、上位浮上への絶対条件だ。
日本一となった1年目は15勝。そして2年目の昨年は14勝を挙げ、低迷するチームの中で獅子奮迅の働きをした。契約更改では
田中将大(
ヤンキース)を上回るチーム最速となる年俸1億円(推定)の大台を突破。投手陣の大黒柱としての存在を認められつつある。
だからこそ、3年目こそが大事だということを本人は十分に分かっている。3年連続で2ケタ勝利を挙げれば、球団では
岩隈久志(マリナーズ)、田中に続く3人目の快挙となる。「2年間活躍しても今シーズン結果を残さなければ一緒」と語り、「全員がライバルだと思って、自分の仕事をしたい」と表情を引き締めた。
自主トレは昨年同様に田中と行った。「いいアドバイスをいただけ、吸収できるところがたくさんあった」と振り返る。一方の田中も則本について「風格が出てきたと思う」と雰囲気の変化を口にしている。3年目となり、
松井裕樹や
安樂智大など後輩のピッチャーも増えた。「礼儀正しく、そこを第一にやっていってくれたらいい」とアドバイスを送り、「これからも教えていきたい」と先輩としての自覚も芽生えてきている。
昨年は最多勝まで、あと2勝届かなかった。「なかなか取れるものではないし、チャンスがあれば取りたい」とキッパリ。また、3年連続の開幕投手についても「狙っていきたい」と力を込めた。エースの条件を「信頼されることが一番。野球選手としても、人間としても」と言い切った。その言葉を体現するべく勝負の1年に挑む。