三塁のポジション争いに殴り込みだ。2年目の
陽川尚将がキャンプスタートから飛ばしている。初となる沖縄一軍キャンプでは持ち前の長打力をアピール中だ。
「ゆっくりやろうとは思っていません。やるからにはレギュラーを取るつもりです。バッティングだけではダメだとも思っています」
和田監督から地面に『見』という文字を書かれ、目と足があって体にカベを作っていると説明された。軸を中心にバランス良くスイングするようにアドバイスされたのだ。
昨秋キャンプでひと際目立っていたことで、今春キャンプの一軍は約束されていたようなものだった。和田監督も「ウチにああいう打球を飛ばす選手は少ない。早く実戦で見てみたい」とキャンプMVPに選出されていた。
14年ドラフト3位で
阪神入り。金光大阪高で
巨人から育成3位指名を受けたが固辞。東農大が所属する東都2部リーグで通算105安打、23本塁打を記録して意中のチームからアプローチされた。
初の一軍キャンプに参加した陽川にとって、ここからが本当の勝負になる。今成、新井らとの定位置争いに勝ち抜くためには、本人が自覚するように攻守に結果が求められる。
打撃については上体が前に突っ込むクセを修正している。ヒジの使い方も課題だ。また、三塁守備はさらなる安定感が要求され、連日の特守に取り組んでいる。
平田ヘッドコーチは「おかわり君のようなスラッガーに育ってほしい」と
西武・中村のような将来像に思いを寄せる。今岡にあこがれる陽川。「まずは一軍にしがみつきたい」と泥にまみれる。