2007年から13年まではロイヤルズの傘下、14年はメッツ傘下でプレーしたが、一度もメジャー昇格を果たすことができなかった
アンソニー・セラテリ。31歳という年齢からも、夢の矛先をアメリカから日本へと転換。叶えられなかった目標を成し遂げに、今年
西武にやってきた。
足が速い、スイッチヒッター。田邊監督も「一番にハマってくれれば」と構想を話す。3Aでの成績だが昨季の出塁率.385は、チーム屈指の出塁率を誇る栗山の.394、中村の.384に匹敵する。四球率も7.2打席に1回と高い。阿部打撃コーチも、「まず実際にゲームの中で見てみないと」とただし書きつきだが、「本人曰く、『我慢強い』『ボール球を振らない』と言っている。出塁率の高さが彼の売りだということなので、そこを発揮してもらえれば」と話す。
ただ、一方で「あとは逆に打ちにいったときに、果たしてきちんとボールをとらえられるか。一口に『出塁率が高い』といっても、打てるボールを見逃して、さらに見逃してなのか、打ちにいった中で見逃しているのかでは違う」と指摘する。指揮官は選手全員に「競争だ」と強く言っており、助っ人に対しても特別扱いはしない。「現時点で、彼のためにポジションを空けることはしない。自分の手でつかみ取るしかない」(阿部コーチ)のは確かだ。
守備も投手、捕手以外はすべてこなせるが、キャンプでは主に三塁を守った。中村との三塁手争いに守備力で勝つか。ほかの位置を空けさせるほど打撃でアピールできるか。昨年、同じくメジャー経験のない
メヒアが実現させた『ジャパニーズドリーム』に続くことができるか。セラテリの新たな挑戦が始まった。