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森唯斗投手・夏男の本領発揮はここから

 



 ソフトバンクのブルペンの層の厚さをまざまざと見せつけた。6月10日の阪神戦(ヤフオクドーム)。2点ビハインドの6回一死一、三塁で登板した2年目の森唯斗が躍動する。鶴岡、荒木を連続空振り三振で火消しすると、7回は鳥谷、柴田、マートンを三者連続三振。さらに8回にもゴメス、福留から空振り三振を奪い、8回二死で上本に左前打を許すまですべて空振りの7者連続三振だ。

 03年の和田(現・カブス)、08年の大場、11年の杉内(現・巨人)らの球団記録に並ぶ快投だったが、「うれしいけど、これで終わらないようにしたい。次が大事」と高ぶる気持ちを必死に抑えた。

 ルーキーイヤーだった昨季は、5月2日に初めて一軍登録されると、シーズンを終えるまで一軍に帯同。58試合に登板して4勝1敗20ホールド、防御率2.33の成績を残した。シーズン途中からは「勝利の方程式」を担い、チームの日本一に貢献した。だが、今季はその座をバリオスに奪われた。森自身も3月27日のシーズン初登板(対ロッテ、ヤフオクドーム)では井口にソロ本塁打を浴びるなど、出足からつまずいたこともあり、この阪神戦までの19試合でホールドはわずか2。たまったうさを晴らした。

 工藤監督は「7者連続で三振を取って、向こうの攻撃を抑えてくれた。彼も自信になったと思う。チームに力を与えてくれた」とたたえた。昨季も球宴前までは1勝4ホールドだった。得意の後半戦になれば、この男の状態はさらに上向くはずだ。スパートをかける大事な戦いの続く8、9月。ここぞという場面に背番号38がマウンドへ上がるシーンもそう、遠くはなさそうだ。
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