週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

小笠原道大内野手・勝つためのひとつのピース

 



『縁の下の力持ち』なのかは微妙だが、小笠原道大が単なる代打の切り札ではないことは確かだ。かつて日本ハム巨人で主力打者として活躍した41歳は出番こそ少なくなったが、若手のお手本として欠かせない存在になっている。

 象徴的な出来事が最近もあった。6月26日の広島戦(マツダ広島)は雨天中止。チームは屋内練習場で練習していたが、通常メニューを終えた平田が小笠原に歩み寄った。「見てほしかったのでお願いしました」。当時、平田は22打席連続無安打。教えを請われたベテランは快諾した。素振りしてバットをネットに向かって放り投げる独特の練習法で約30分間の直接指導が続いた。

 平田はスッキリした表情で「下半身の使い方が良くなかったので、その辺を教えてもらいました。上下がバラバラだったので連動を意識しました」と話していた。これだけではなく、オフの期間中は何人もの若手がアドバイスを求めてきた。1月の自主トレ期間中は3年目の古本が沖縄自主トレに同行。もちろん、古本の方から願い出たものだった。

「俺は縁の下の力持ちなんかじゃないよ。それってトレーナーさんとか、打撃投手とか、そういうスタッフのことを言うんでしょ。勝つためのひとつのピースとしてやっているだけだから」

 本人はこう苦笑いを浮かべたが、若手の信奉者は増加する一方だ。昨年の春季キャンプからアドバイスをもらっている34歳の藤井も「小笠原さんはいつも丁寧に教えてくれる。ロッカールームで聞いている選手も多いですよ」。代打の切り札としても3割以上の打率を誇る小笠原はやはり欠かせない。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング