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石川雄洋内野手・不敗神話をもう一度

 



 DeNAの必勝パターンならまず、守護神・山崎康晃が思い浮かぶだろう。ところが、シーズン序盤にはこんな神話があった。初回に出塁すれば負けない。一時は開幕から14戦全勝と勝ちまくった。後半戦、団子状態のセ・リーグを抜け出すには必要不可欠な切り込み隊長。石川雄洋の存在がカギを握ることは間違いない。

 プロ11年目。自他ともに認めるスロースターターは、近年にない好スタートを切った。巨人との開幕3連戦(東京ドーム)は13打数2安打だったが、4月1日と2日の広島戦(横浜)で2試合連続の猛打賞。昨年は打率.193と苦しんだ3、4月は.324の好成績を残した。「特別な意識はないけど、みんなが盛り上がってくれたのはうれしかったですね」。一番で初回に出塁し、梶谷隆幸筒香嘉智、ロペス、バルディリスの中軸で得点するパターン。中畑清監督も「タケ(石川)が出れば勝てる雰囲気が生まれるんだよ」と実感している。

 7月7日の広島戦(マツダ)では、本塁のクロスプレー時に右膝を裂傷。6針を縫い、そのまま戦列を離れた。「どうやって一、二番で勢いをつけるかだな……」。中畑監督が思い悩むのも、背番号7への信頼があったから。球宴明けに復帰できる見通しが立ったのは朗報だ。5月13日の中日戦(横浜)で決勝の1号2ラン。中畑監督へ通算200勝をプレゼントした。7月3日の阪神戦(横浜)でも自身初のサヨナラ打。勝負強さも見逃せない。「今年は本当にチャンスだと思う。初のCSにも出たいし、優勝したい」。日本一に輝いた98年以来の前半戦首位ターンを決めたDeNA。まもなく、リードオフマンが帰ってくる。
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