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ディクソン投手・チーム思いの助っ人が、後半戦もフル回転

 



「目標はローテを守り切り2ケタ以上、勝つこと。チームの勝利に貢献したい」。来日3年目の助っ人右腕は毎年のようにこの言葉を口にしてきた。開幕から低迷するチームの中で孤軍奮闘するブランドン・ディクソン。右ヒジ手術の影響で出遅れたエース・金子の代役として今季、自身初の開幕投手を務めた。

 前半戦の成績は16試合に登板し8勝7敗、防御率2.22。すべての項目でチームトップの数字を残した。だが、前半戦ラスト3試合は制球の乱れもあり、まさかの3連敗。それでも「ゴロを打たすことはできていたが飛んだコースがすべてヒットになった。自分の調子はそれほど悪いとは思っていない」と悲観することはなかった。自己最多は昨季の9勝。目標であった10勝は前半戦だけで達成できる可能性はあった。それでも焦る気持ちは微塵もなかった。

 オールスターにも監督推薦で初出場。「何かを教えてもらったとかはないが、純粋に野球を楽しめた。非常にいい時間だった」。セ・パのスター選手たちと過ごした2日間は最高の経験となった。年を重ねるごとに進化を続ける右腕に福良監督代行も「ディクソンがいなかったら大変なことになっていた」と評価すれば、高山投手コーチも「経験を重ねるごとに日本の野球に対応してきている。制球力も上がっている」と賛辞を送った。

 奇跡のAクラスに向け、エース・金子、西、ディクソンの先発3本柱の活躍は必要不可欠だ。今のディクソンにとって10勝は通過点に過ぎない。「自分の勝利よりチームの勝利が最優先。貢献できるように頑張るだけ」。チームの危機を救ってきた助っ人右腕が、後半戦もフル回転する。
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