遅れてきたルーキーが新しい風を吹き込んでいる。駒場学園高、中大、東京ガスを経てドラフト7位で入団した
遠藤一星。6月27日に初昇格を遂げると、首脳陣の期待に応えるようにスタメンで結果を残している。
チャンスを生かしたのがプロ初スタメンとなった7月1日の
DeNA戦(那覇)だった。相手が左の砂田ながら一番・遊撃で抜てきされると、4打席目に右の平田からプロ初安打初打点をマーク。連敗ストップに貢献すると、同4日の
巨人戦(ナゴヤドーム)では5打数3安打とプロ入り初の猛打賞も獲得した。そして同25日の
ヤクルト戦(神宮)では古野からプロ入り初の本塁打。一番、三番などの上位打線で頭角を現した。
最大の魅力は適応力のある打撃だ。今年の
中日は相手の左右によってガラリと変わるが遠藤は別。左対左でも起用されて結果を残している。「相手が左でも同じように打てる。間も取れるし、どんな投手でもタイミングが合う。打撃はいいモノを持っている」と長嶋チーフ打撃コーチも目を細める。
中日でもこれまでの野球人生のように遠回りした。オープン戦では結果を残すもスローイングに課題があるとしてファーム行きを命じられた。1度は外野手転向も検討されたが遊撃手として再出発。だが、4月の二軍戦で右手首に死球を受けて痛恨の骨折。長期離脱を余儀なくされていた。
「遠回りは慣れっこです」。こう話す26歳は課題の守備について「下手は練習するしかない。必死でやるだけです」。
アマチュア時代、モデルにスカウトされた経験を持つイケメンが遊撃のレギュラーに定着すれば中日の未来は広がる。