8月を終えて打率.265。昨季、球団最多タイの186安打を記録した竜のリードオフマンにとって、苦しいシーズンを過ごしている。
思い起こせば昨季までの3シーズンで打率3割以上を2シーズン以上マークしたセ・リーグの打者は
大島洋平と
阪神・
マートンの2人だけ。だからこそ、このままでは終われない。
打率2割台であがく原因は分かっている。「最近は右方向へのヒットが少ない。バットをトップへ引くときに、今はグリップがホーム方向へ入り過ぎています。バットがスムーズに出てこないから、打球が逆方向に飛んでしまうんですね」と語る。
昨季の映像を見返すこともある。ゲームが終わった後のナゴヤドーム。長嶋チーフ打撃コーチとともに机に座る。打てるときはどうなっていたのか、構えはどうだったか――。
何となく見えてきたのは、動→静→動の動きだという。「構えはバットがユラユラ動いていて、テークバックに入るとバットがピタッと止まるような時間がある。そこから振るときにまた動く。止まる、と言うと表現が違うかもしれませんが、『バットが落ち着く』という感じですね。止まるように見える時間で間をとらないと、打てる確率は上がっていかないです」。そう解説してみせた。
8月の月間打率は111打数27安打で.243。「最後の追い込みというか、上位チームを引きずり下ろすぐらいの気持ちで戦っていきたいです」
チームは長らく最下位に沈んだ。竜のバットマンが奮起して1度でも多く塁に出塁したとき、背番号8とチームの成績が上がる。