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ディクソン投手&西投手&東明投手・サバイバルマッチが投手王国を築く

 



 シーズン終盤になりタイトル争いも佳境となってきた。そんな中、防御率のトップ5人の中にオリックスの先発が3人も入る珍現象が起きている。ブランドン・ディクソン西勇輝東明大貴だ。日本ハム・大谷が圧倒的な数字を残しているだけに現実的には厳しい状況が続くが、オリの先発3人衆は最後まであきらめるわけにはいかない。

「タイトル、数字はシーズンが終わって結果として残ればいい」。3人ともにそろって口にするのはチームの勝利が最優先ということだ。昨年はエース・金子が沢村賞に輝くなど数々のタイトルを手中に収めたが、後に続く投手がいなかった。2012年に西がノーヒットノーランを達成しているが、タイトルには縁がないのが現状だ。

 この3人の中で最も勢いがあるのは東明だろう。9月9日の西武戦(西武プリンス)で先発すると、9回2安打無失点の快投。プロ初完投初完封で自身初の2ケタ10勝目を挙げた。130球の力投に「とにかくチームとして負けられない。応援してくれる人たちがいるので勝ち続けたい」と胸を張った。8月に入ってから9月9日まで負けなしの5連勝。防御率も2.86まで下がった。

 防御率2.53のディクソン、2.59の西(9月9日現在)とトップの大谷を猛追することも不可能ではない。高山投手コーチも「開幕から金子がいないときでもこの3人は試合を作ってくれた。チーム状況が苦しい中でも本当によくやってくれている」と粘り強く投げる先発陣に目を細める。誰がタイトルを取っても初の快挙となる。投手王国を築くため残りのシーズンをチーム、個人のために全力を注いでいく。
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