週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

ディクソン投手・故障を乗り越え、来季こそ悲願達成へ

 



 チームのために投げ続けた右腕は、不運にもシーズン終了を待たずして今季の登板を終えた。来日3年目のブランドン・ディクソン。20試合に登板し9勝9敗、防御率2.48。イニング数は130回2/3と規定投球回には届かなかった。「チームのために最後まで投げたかった。ケガが再発して申し訳ない」。日本球界での目標として掲げた2ケタ勝利は3年連続して逃すこととなった。

 今季は右ヒジ手術のリハビリが遅れたエース・金子の代役として自身初の開幕投手を務めた。勝利には結び付かなかったが7回1失点の好投で大役を果たすと、先発ローテの柱としてチームを引っ張った。どんなチーム状況でもイヤな顔一つ見せず淡々と投げ抜く助っ人右腕に高山投手コーチも「真面目でチームの勝利を考えている。こんな外国人投手はいない。アイツには2ケタ勝たせてあげたかった」と無念さを口にする。

 右肋間筋損傷で9月18日に登録を抹消。残りのシーズンはリハビリに費やすことになった。最終登板となった9月15日のソフトバンク戦(京セラドーム)。すでに右ワキ腹には痛みがあったが「投げさせてほしい。穴を空けるわけにはいかない」と志願し先発。患部に負担がかからないように試合前には首脳陣から「けん制球は投げなくていい」と念を押された。そんな中でも6回を1失点で乗り切り9勝目を手にした。

 今季で2年契約が切れるが、球団は早い段階から残留交渉を行い引き留めに成功。日本の野球に柔軟に溶け込み、今やオリックスの中心選手にまで上り詰めた。年々進化を遂げる助っ人右腕は、来季こそ悲願の2ケタ勝利を達成するはずだ。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング