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マイコラス投手・来季の去就も注目される勝ち頭

 



 来日1年目でフル回転した。この右腕がいなかったら、巨人が優勝争いに加わることもなかっただろう。13勝3敗と一人で貯金を10個も作り、間違いなくチームを支えた。シーズン後には東京ドームが選定する東京ドームMVP賞に選ばれ、マイコラスは「ドームのマウンドは投げやすかった」と笑顔だった。

 春先は不安定さも見せていたが、徐々に日本野球に適応し、本来の力を見せていく。追い込まれたらファウルで粘る日本の打者の特性に合わせ、より厳しくコースを突く意識を徹底した。練習でも新しいことを取り入れるより、うまくいったことを突き詰めていく。ルーティンを変えず、好調をキープした。6月20日からレギュラーシーズンは負けがなく、11連勝で締めた。これは1964年のスタンカ(南海)に並び、外国人最多記録だった。最高勝率のタイトルも獲得。「シーズンが終わったときに、成し遂げたことの重みを実感して、理解することができると思う」と話していただけに、今ごろ達成感に浸っているだろう。

 クライマックスシリーズでも阪神とのファーストステージで、打って、投げてと奮闘した。初戦の先発を任され、7回2失点と試合をつくり、打撃では5回に先制の適時二塁打をマークした。もちろん、満点の結果とはいかなかったが「初戦を任された信頼は感じていたし、それに応えようと思った」と安堵感を漂わせた。

 ヤクルトとのCSファイナルステージ第2戦では6回途中4失点で6月12日以来の黒星を喫した。「久しぶりの負けがCSになってしまったのは残念」と悔やんだ。去就は不透明だがその雪辱を来季、日本で果たしてほしい。
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