週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

松井裕樹投手・大幅アップ確実の若き守護神

 



 投打に振るわず、2年連続の最下位に終わった楽天。オフの厳冬更改が予想される中、唯一の大幅アップが見込まれるのが、2年目左腕の松井裕樹だ。開幕の約3週間前に守護神転向を言い渡されたにもかかわらず、高卒2年目のシーズンでは歴代最多となる33セーブをマーク。有無を言わさぬ結果を残した。

 ミコライオの故障離脱により、突如巡ってきた守護神の座。チーム事情でポジションが変わっても、高い適応能力を見せつけた。初登板から13試合連続無失点。年間を通じて防御率が1点台以上になることはなかった。イニングまたぎの難しい登板も涼しい顔でこなし、奪三振率は驚異の12.82。セーブ王のタイトルこそ届かなかったが、査定ポイントはチームトップになることは間違いない。

 守護神に抜てきした大久保博元前監督は「どんなに緊迫した場面でも物怖じすることはなかった。アイツがいなかったらと思うとゾッとするよ」と言い切る。シーズン中には「苦しいから試すのではなくて、より手が付けられないようにこちらから手を打つということ」とカットボールを習得。どんなにセーブを積み重ねても、決しておごらずに上を目指す姿勢は、2年目にしてチームの模範生となっている。

 1年目の昨季は4勝に終わったものの、リーグ5位となる126奪三振を記録するなど非凡な能力を見せつけた。人生初となる契約更改では1000万円アップの推定2500万円でサイン。当時は「想像以上です」と初々しい笑顔をのぞかせていた。それから1年。文句なしの成績を挙げたサウスポーに対し、さらに想像を絶する金額が提示されそうだ。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング