来シーズンも縦ジマで勝負する
西岡剛にとって、厳しい立場からの再スタートになる。「来年も
阪神のユニフォームを着たいと伝えている」。その短い言葉に覚悟がにじんだ。
海外FA権を取得していたことで去就が注目されていた。推定1億8000万円からの大幅ダウンは必至。それでも阪神移籍4年目のシーズンに向けて、自らダウン幅を直訴した上で、あらためて来季への勝負に挑む。
開幕から「三番・三塁」で出場を続けたが、5月22日の
DeNA戦(横浜)で右ヒジに違和感で戦列離脱。チームとしては夏場に差し掛かってダッシュをかけたいところだけに大きな痛手だった。
西岡の診断は「右ヒジ内側側副じん帯損傷」で一軍の舞台に復帰したのは終盤の9月25日
広島戦(マツダ広島)だった。50試合出場にとどまって打率.262、2本塁打で貢献できず。もう一度、一からやり直す決心をしている。
シーズン中は本格的な送球を行わずに万全の体調ではなかったが、ようやく西岡らしいプレーができるようにもなった。本人は「大丈夫。2月1日には元気な姿を見せたい」と完全復活に気合をみなぎらせる。
もっともコンディションさえ整えば、実績からいっても十分に勝負ができる。金本監督も「西岡と福留の走塁は天下一品だから」と期待を寄せていることで、西岡本人のやる気にも拍車がかかる。「監督から言われたポジションでいく」という。二塁で上本、
大和ら若手とのポジション争いを勝ち抜かないと後がないのは本人も承知。栄光とプライドを取り戻すため16年シーズンは必ず意地を見せる。