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本多雄一内野手・31歳、進化の季節

 



 本多雄一は若手に交じり、宮崎での秋季キャンプで大粒の汗を流していた。ベテランと呼ばれる領域に近づきつつある。だが、納得いく自分を追求する姿はひと回り以上、年齢が下の選手たちよりギラついている。

「速い球をファウルにしていたのを、しっかりと打ち返せるようにカベを意識しています」「カベ」を作る新打法に取り組む。ほぼノーステップで先に右半身に「カベ」を作り、そこを軸にして回転するイメージだ。先に回転軸を決めることで直球系のボールにも振り遅れにくくなる。「感じはいいし、いつもと違うところ(の筋肉)が張っていますね。継続してやっていきたい」。新打法を試した感触もまずまずのようだった。「復活」ではなく「進化」を目指している。その意気込みは新たな挑戦にも表れる。「自分も必要性を感じていた」とこの秋季キャンプで工藤監督から強化指定に指名された若手投手が行う、股関節などの強化トレーニングに志願参加。将来の先発ローテーション候補たちが苦悶の表情を浮かべる中、1セット1時間に及ぶトレーニングを2、3セットとこなし、周囲を驚かせた。

 今季は開幕から二塁のレギュラーでスタートしたが、4月12日の日本ハム戦(熊本)で一塁ベースを踏み損ね、右足首を捻挫。その影響もあり、出場は61試合にとどまり打率は.228。故障していた間に明石、川島、高田らが台頭し、終盤戦ではベンチを温める機会が多くなった。

 ただ、2010、11年には2年連続の盗塁王、11年は打率.305でベストナインにも輝いた背番号46はまだ、31歳になったばかりだ。脂が乗るのはこれからだ。
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