週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

二木康太投手・来季の飛躍に期待大

 



 シーズン終盤の10月5日、待望の一軍デビューを果たした。8月に20歳を迎えた2年目右腕、二木康太が本拠地・QVCマリンでの日本ハム戦で3回からの5イニングを4安打1失点と好投。「自信まではいかないけど、手応えはあった」と得たものは大きい。野手の間に落ちる不運な長打もあって白星はつかなかったが、来季の飛躍を予感させた。

 左足を上げた後、一拍遅れて体が前に来る独特のフォームだ。187センチの長身から、長い手足を生かして速球を制球良く低めへ投げ下ろす。受けた吉田も「構えたところに来るし、変化球でもストライクを取れる。打者もタイミングを取りづらいフォーム」と感心する堂々とした投球だった。

 11月の千葉県鴨川市での秋季キャンプも積極的な姿勢で取り組んだ。午前中は陸上競技場でひたすら走るが「ここは一軍。気持ちの面でも疲れが違うけど、絶対に前で走る」と先頭集団で引っ張る。入団したころは「みんなでやる腹筋にもついていけなかった」と言うものの、ランニング後のサーキットトレーニングや投手練習でのタイヤ引きなど体を追い込むメニューも問題なし。「去年は基礎体力を標準に持っていこうとやってきたけど、それがついたのかな」と成長を実感した。プロ入り当初は130キロ台だった速球が、デビュー戦で最速143キロに達したのも地道な努力のたまものだった。

 ドラフト6位入団で脚光を浴びる機会は少なかったが「成績を残さないと飯も食えない。春は絶対一軍キャンプに入りたい」と意欲は十分だ。伊東監督も「ここまで好投してくれるとは思わなかった。来季が楽しみ」と目を細めた若武者の2016年に注目したい。
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング