若手の働きが目立ったシーズン序盤だったが、これからの交流戦は試金石になる。そこで頼りになる存在が
福留孝介だろう。
昨シーズンはセ・リーグで唯一交流戦を勝ち越した
阪神(10勝8敗)。しかし、チームは戦績からもパ・リーグ戦を苦手としている。
人気チームの阪神戦にアピールするため好投手をぶつけてくる相手には、若手の勢いよりも経験がモノをいうというわけだ。
福留は4月中旬に左太もも痛を発症してスタメンを外れることもあったが、交流戦を前に「打てる球があればどんどん打っていく」と調子を上げてきた。
5月26日の
ヤクルト戦(神宮)では、4回にソロ本塁打を打ち日米通算1000打点を達成。DH制も採用される交流戦だが、堅い外野守備も相変わらずで頼もしい。
「チームが勝つことが一番で、その中で自分の成績が上がってくればと思っています」
昨季も当時の和田監督から打率.275ながら15本塁打で折り返した前半戦MVPに指名された。オープンスタンスにしてテークバックを修正した打撃が成績に表れたのは、ベテランならではだった。
交流戦を前にした金本監督は、クリーンアップに起用する人材に「孝介とゴメスが打つと点が入りやすい」といって期待をかける。
若手に外野守備をアドバイスする光景も目立つ。39歳の福留は「若手にはぜひ優勝を経験してほしい。優勝は選手を変えるから」とチームに刺激を与え続ける。