『
西武ライオンズ七不思議』を挙げるとするならば、その1つには「
栗山巧がオールスターに出場していない」が入るのは間違いないだろう。プロ入りしてから昨季までの14年間で、最多安打(2008年)、ゴールデン・グラブ(10年)、ベストナイン3回(08、10、11年)を受賞するなど、チーム、リーグの代表として夢の球宴に出場するに値する実績は十分過ぎるほどある。だが、出場が実現しなかったのは、やはり外野手というポジションも原因の1つになるだろう。
どちらかというと、外野手には華やかな本塁打が魅力の強打者たちが顔をそろえる。栗山に限らず、コンスタントに安打を積み上げるタイプの選手は、派手さの面ではどうしても見劣りしてしまう。だが、今季はこれまで以上に名乗りを挙げる資格がある。というのも、栗山がプロ15年目にかける意気込みは高く、オープン戦から打率.371を残し、シーズンでは6月2日現在、打率.314でリーグ3位の数字を誇る。
1日に発表されたファン投票中間順位では外野手5位につけているが、上位にいる
柳田悠岐、
秋山翔吾、
中村晃、
糸井嘉男よりも打率は上。さらに、出塁率も.425と高く、“栗山巧”というプレーヤーに求められる役割を存分に果たしているのである。まだまだ進化を続けている“西武の顔”。関係者もチームメートも、そしてファンも、今年こそ、キャプテンが『夢の舞台』に立つことを心の底から願っている。