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広島 菊池涼介内野手・勢い増すお祭り男

 



 菊池涼介がグラウンドをところ狭しと動き回っている。昨季に不本意な成績に終わった要因だった体の痛みがなくなると、その恐るべき守備範囲が復活。ゴロを打たせる投手の多い広島で、幾度となくチームの危機を救った。3年連続ゴールデン・グラブ賞を受賞した守備で、交流戦を首位で入ったチームを引っ張った。目いっぱいのプレーでアウトを増やしても、喜びを表現しないのも菊池流。どの投手も、黒田でさえ、試合後には「あのプレーで助かった」と感謝の言葉を並べる。

 如意棒のようにバットを操る打撃も復活した。交流戦前の時点で52試合を消化し、打率.323、5本塁打。「あいつは化け物だ」と笑うヤクルト・山田を抑え、放った72安打はセ・リーグトップだった。「(山田)哲人もいるし、打撃部門はまったく気にしていない」と言うが、単純計算で年間198安打ペース。200安打も夢ではないところにいる。「忍者」と称されるプレースタイルはいつも観客を沸かせている。

 球宴には2014年から2年連続2回出場している。6月1日の中間発表では、二塁手部門で山田に次ぐ2位だった。昨季は選出された際に「何かやりたいですね」と声を高ぶらせた「お祭り男」でもある。過去には日米野球でメジャー・リーグからも大きな注目を浴びた。強力なライバルもいるが、選ばれさえすればスケールの大きなプレーをお祭りの舞台で見せてくれるはずだ。
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