早期の一軍復帰を目指して、二軍の
ロッテ浦和球場で汗を流す日々を送る。4月末に戦列を離れる原因となった左ワキ腹の肉離れが癒え、
荻野貴司は「6月中には何とか一軍に上がりたい」と意欲をにじませた。
負傷から3週間ほどでバットを振れるようになり、6月2日にイースタン・リーグの
ヤクルト戦(ロッテ浦和)で実戦復帰を果たした。途中出場でいきなり2打数2安打。1本は三塁打と、グラウンド狭しと駆け回った。翌3日の
日本ハム戦(鎌ケ谷)は一番・センターで先発出場して4打数3安打の固め打ちで、「打ったのはたまたまですよ」と笑うが、復調を感じさせるには十分な結果だった。
チームはリードオフマンを固定できない戦いが続いている。開幕から4月半ばまでは岡田が斬り込み役を務めたが定着には至らず、3試合で一番に入った荻野を含め状態に応じて計7人が起用された。3年連続で2ケタ本塁打をクリアし、打点もリーグ上位を争う
デスパイネや、首位打者争いをリードする角中が座るクリーンアップに好機で回すためにも、上位打線を安定させたいところだ。
荻野の最大のアピールポイントは通算114盗塁、成功率.877を誇る抜群の脚力。今季は18試合で打率.148と打撃で悩みを抱えているが、伊東監督が「塁に出てなんぼの選手。出れば相手にプレッシャーをかけられる」と評する背番号4が持ち味を発揮できれば、打線の厚みが増すことは間違いない。