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ロッテ 石川歩投手・無死一、二塁で小味なファインプレー

 



 敵地でDeNAに3連敗して迎えた6月7日の阪神戦(QVCマリン)。投手陣の柱の一人、石川歩の投球が光り、2対1で競り勝った。流れを変えたのは1対0の3回無死一、二塁。阪神の二番・北條は当然、送りバントの構えだ。初球はバントするのが難しい高めの直球で狙いどおりファウルにした。カウント1-1から浮き上がって鋭く落ちるカーブを投げると、北條は一度高めに合わせたバットのヘッドを下げてボールを追い、2球目のファウルとなって追い込まれた。スリーバントを試みたが、最後は石川が「強い打球が転がればいいと思った」という高め直球で投手前に転がさせ、三塁に送球して封殺した。

 1点リードの6回にも無死一、二塁のピンチを招いたが、簡単にバントはさせない。狩野の初球に再び高めの直球を投げてファウル。バントが決まらないと判断した敵将・金本監督は強攻策に切り替えたが、狩野は三振に倒れた。ロッテ・伊東監督は「一、二塁で送らせなかった。ツキもあったと思う」。確かにバント失敗は相手のミスだが、バントをしにくい球を投げ切るのも投球術。石川は「コントロールは良くなかった。走者が出てからのほうが狙ったところに投げられたと思う」と振り返る。

 記録には表れないものの、相手の反撃ムードを断ち切るファインプレーだった。この一戦でチームは連敗を3で止め、阪神には3連勝。続くヤクルト3連戦も2勝1敗で勝ち越した。
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