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巨人 菅野智之投手・みんなで勝ち取った1カ月ぶり白星

 



 プレー、というよりもナインの気持ちがよく現れた1勝だった。6月3日の日本ハム戦(東京ドーム)。エースの菅野智之に約1カ月ぶりに白星が付いた。

 菅野は防御率0点台と圧倒的な投球を続けていたが、5月5日に4勝目を挙げて以降、なかなか勝ち星に恵まれない。同13日のヤクルト戦は9回1失点(自責点0)、20日の中日戦は8回無失点でも、菅野の白星が伸びることはなかった。打線が得点を奪えず、好投が報われない。それでも、菅野は「(勝てない間は)長かったけど、とにかく気持ちを切らさずに自分の仕事をするんだと思って、毎回(マウンドに)上がっていた」と黙々と投げ続けた。

 そんなエースにチーム全体がようやく応えた。高校の後輩でもある大田が3安打2得点と一番打者としての役割を果たし、1対0の5回には主将の坂本が3ランを放ち、村田の適時打で加点する。菅野はリードを保って7回1失点で降板。中継ぎ陣が追い上げにあったが、最後は5連投となったクローザーの澤村が二死満塁のピンチを切り抜け、逃げ切った。大田は「菅野さんが投げたときに勝つことが大事」と言い、坂本も「野手みんなが(勝たせようと)思っていた。いいピッチングをしても勝ち星を付けられなかった。付けられて良かった」と安堵した。

 菅野は久々の5勝目にも手放しで喜ばなかった。7回で降板したことに「完投しないといけなかった」。責任感の強さを見せた。
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