遅れてきた大物だ。ドラフト1位ルーキー・
高橋純平は5月28日、ウエスタン・リーグ
広島戦(タマスタ筑後)で公式戦デビューを果たした。1月の新人合同自主トレ初日に左スネの張りを訴えた。昨夏の左太腿裏肉離れの影響から体のバランスを崩し、下半身に張りが出やすくなっていた。「悔しく思います」。ほかの新人たちから遅れ、リハビリを強いられた。
衝撃のデビューだった。雨脚が強く、足元はぬかるむ最悪のコンディション。6点リードの3回に2番手で登板し、プロ初被弾を含む2回3安打2失点2四球。3回一死一塁、1ボールからの2球目の直球は梅木球審にボークを宣告されたが、構わずに打った庄司の打球は右越えの2ラン。アウトの場合はボークが適用されるが、安打はインプレー。珍しい“ボークラン”と話題にも事欠かなかった。
6月7日には工藤監督も視察したヤフオクドームでのウエスタン・リーグ
中日戦で“御前登板”も果たし、最速146キロを計測するなど3回を無安打無失点と、順調に階段を上がる。「一軍の、満員になったこの舞台で投げたい」という新たな目標もできた。
「試合で抑えて自信をつけることは大切だけど、ケガをしないようにやってほしいね」
工藤監督は将来を見据え、まだまだ鍛える必要があると語った。ただ、独走状態に入ったペナントレースの行方次第では、シーズン終盤に出番が来る可能性を十分、見せつけたデモンストレーションだった。