即戦力の名に違わない投げっぷりを見せている。
加藤貴之は、ひょうひょうと任務を遂行し続ける。ルーキーながら開幕一軍に名を連ね、中継ぎだけでなく先発もこなす。テンポも制球も良く、マウンド上での立ち居振る舞いは威風堂々。いまや投手陣に欠かせない存在感を発揮している。
プロ初白星は超満員の札幌ドームでつかみ取った。4月16日の
ロッテ戦で先発し、6回を69球でまとめて4安打無失点。
「とにかく1イニング1イニング思い切って投げることに集中していた」
その1週間前、プロ初先発の同9日の
楽天戦(Koboスタ宮城)は2回途中KO……。傷心も屈辱をバネに歓喜へ昇華させた。
新日鐵住金かずさマジックからドラフト2位で入団した。千葉の拓大紅陵高から社会人野球へ飛び込んで5年。最初は体力強化の一環で野手登録。社会人3年目に投手へ転向。潜在能力を開花させた左腕を
日本ハムは高く評価した。
「高い評価に恥じない活躍をしたい」
熱いハートもマウンド上で生きている。
交流戦終了時点で14試合に登板。内訳は先発5試合、中継ぎ9試合。調整が難しい役回りも献身的にこなしてきた。先発した6月2日の
ヤクルト戦(札幌ドーム)で打球が左すねに直撃するアクシデントで降板。翌日に抹消されたが交流戦終盤に一軍復帰し、中継ぎとして再出発した。チームにとって貴重なサウスポーは、ここまで満点に近い仕事を果たしている。