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広島 岡田明丈投手・マッスラで左打者を圧倒

 



 プロ初勝利を挙げるのは時間の問題だ。広島のドラフト1位・岡田明丈は交流戦終了時点で、いまだプロ初勝利を挙げられていない。とはいえ8試合に登板し防御率は2.80と、安定感は抜群。打線の援護が少なかったり、救援陣が打たれたりと不運が重なるが「そのうち勝てると思う。続けていけば大丈夫だと思います」と前向きだ。

 150キロを超える直球もさることながら、最大の魅力は左打者の内角に自然に食い込む「マッスラ」。直球のつもりで投げるが、打者の手元で急激に食い込む、カットボールのような球筋だ。本人は無意識で投じているが、このボールが打者を惑わせる。右投手が苦手としがちな対左打者の被打率は.204。詰まらせ、対応させていないことが分かる。むしろ右打者に対して被打率.325と課題が残るが、緩いカーブを覚えてからは苦労することも少なくなった。制球に苦しむイメージも完全に払しょく。スライダーやカーブでカウントを稼げるようになってからは、直球もさらに効果的になった。初勝利はすぐそこまで来ている。

 打線が援護できない現状に緒方監督も「早く勝ち星をプレゼントしたいね。文句のつけようがない」と言う。ピンチで球種の選択が消極的になるなど、勝てていない弊害もある。だがそれも1つ勝てば問題はなくなるはずだ。我慢のときを重ねるほど、初勝利の味は濃くなる。その日を信じて、無心で腕を振る(記録は6月23日現在)。
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