躍動感にあふれる動きが、見る者を惹きつける。持って生まれた打球勘と一気に加速するスピードが、広い守備範囲を実現している。
楽天のドラフト1位ルーキー・
オコエ瑠偉は、期待に違わぬ守備力で一軍の舞台でも大きな戦力になっている。梨田監督も「あの守備があるからこそ」とスタメン起用する要因に挙げている。
派手なダイブやジャンピングキャッチは、実は少ない。打球が上がった瞬間に抜けることを覚悟した打球でも、落下点に悠々と走り込む背番号9の姿がある。指揮官は「守備範囲の広さはたいしたもの。一歩目もそうだけど、加速するし遠回りしない。直線的だよね。プロ野球でも3本の指に入るぐらい」と賛辞を惜しまない。
課題もある。スローイングに関しては2つの問題点が挙げられている。1つはボールの握り。交流戦明けの全体練習で、梨田監督の直接指導を受け「いい回転になった」。もう1点は、試合の中での状況判断だ。6月24日の
ソフトバンク戦(Koboスタ宮城)では、2回二死一塁から中村の中前打で三塁へ送球。この間に打者走者の二塁進塁を許し、梨田監督からも「これが2度目。ああいうミスが命取りになる」と反省を促された。
細かいミスはあるにしても、Koboスタの天然芝を駆け回る姿には、スターには欠かせない“華”があふれている。決して洗練されてはいない。それでも、18歳のプレーには観客の視線を釘付けにする魅力が詰まっている。