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ロッテ 清田育宏外野手・巻き返しへの試練

 



 開幕前には想像もできない光景だった。7月12日のソフトバンク戦の試合後、東京ドームのベンチ裏で大荷物を運ぶ清田育宏の姿があった。「ファームです。しようがないでしょ。打てていないし」とサバサバと話した。試合後の伊東監督は「どういう選手を使ってでも勝たなければいけない。もう妥協しない」と勝負に徹する考えを示し、清田に試練を与えた。

 昨季はリーグ4位の打率.317と大ブレーク。今年3月には侍ジャパンにも初選出された。伊東監督も不動のレギュラーとして清田、角中の名前を挙げていた。しかし、今季は数字が上がらない。82試合で打率はリーグ最下位の.215、6本塁打。打順も下位へ下がっていった。好調な今季のチームにあって、数少ない「誤算」だった。

 このまま終わっていいわけがない。後半戦の巻き返しへ、清田の力は不可欠だ。調子が上がらず、志願して二軍戦に出場してからナイターを戦うダブルヘッダーもこなした。試合後は室内練習場で黙々と打ち込んできた。「打てない選手は練習しないとダメ。練習ではバットが振れている。試合に入ると力が入ったり、タイミングが合わなかったりする」と清田。重心を低くするフォームに微調整しながら、復調を目指している。

 居残り練習をしていたデスパイネからティー打撃のトスを上げてもらい激励されたこともあった。全員が清田の復活を願っている。本来の輝きを取り戻したとき、またロッテの進撃が始まるはずだ。
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