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オリックス 金子千尋投手・反攻に不可欠な絶対的エース

 



 最下位脱出のカギはエースが握る。開幕投手を任され大きな期待を背負って挑んだ今季だったが、前半戦は3勝6敗と黒星が先行。思うような投球ができず、試行錯誤を重ねた。さらに6月には右肩を痛め戦線を離脱。4年ぶりとなったファームでの登板を経て、7月7日に再び一軍に戻ってきた。チームの浮上には、この男の完全復活が欠かせない。

 今季のスタートは順風満帆だった。2月末に実戦マウンドに立つなど、右ヒジを手術した影響で出遅れた昨季とは比較にならないほど順調。オープン戦では3試合15回を投げて失点はわずかに1、防御率は0.60と完璧な内容だった。しかし、シーズンに入ると落とし穴が待っていた。西武との開幕戦(西武プリンス)こそ7回途中3失点と粘ったが、与四球7。ボール球が先行し、137球を要した。「修正したかったが、最後までうまくできなかった。四球で自分を苦しくしてしまった」と肩を落とした。

 その後も先発すれども勝てない日々が続く。自己ワーストに並ぶ1試合8失点、開幕から5戦白星なし……。不名誉な記録が続く中、4月30日の楽天戦(京セラドーム)でようやく挙げた今季初勝利は無四球の見事な完封勝ちだった。5月20日のロッテ戦(QVCマリン)では通算100勝を達成。徐々に「らしさ」を取り戻しつつある。鈴木バッテリーコーチも「乗ってきたらこっちのもの」と金子の魅力を語る。悔しさを味わったエースが、反攻ののろしを上げる。
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