プロ10年目で初めてシーズンを負け越した。この結果がこれまでの安定ぶりと、今季の苦悩を表している。開幕投手を務めたものの、鹿児島で行われた4月9日の
ソフトバンク戦では5回途中で自己ワーストの8失点を喫するなど、春先から大崩れする場面が目立った。一時は防御率が7点台まで落ち込み、開幕から5戦連続で白星なし。エースの不調がチームの低迷にもつながった。
6月には右肩痛で約1カ月間の戦線離脱。症状自体は軽かったが「勝つことを計算されている僕が、勝てていないので」とエースとしての責任をにじませた。離脱中には京セラドームでブルペン投球を行い、福良監督が自ら確認するなど、入念なリハビリを積んだ。しかし、復帰後も投球の調子が安定せず、思うように白星を重ねられない。結局、23試合で7勝9敗、防御率は3.83と、不本意なシーズンに終わった。
シーズン後、トークイベントに参加した金子は開口一番「ふがいない。チームとしても個人としてもファンに合わせる顔がない。今シーズンは申し訳なかった」と異例の謝罪を口にし、来季は「2014年以上のものを残したい」と16勝(5敗)を挙げて沢村賞などタイトルを総なめにした14年を超えることを誓った。そのために右肩を含めた体を強化すべく、今オフはほかのスポーツ競技との合同練習など、初めてのトレーニングも取り入れる予定だ。来季こそエース復権の年にしてみせる。