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西武 金子侑司内野手・自らの役割を果たして勝利に貢献

 



 盗塁王のタイトルを獲得した金子侑司の活躍ぶりは、「陰の」をつける必要はないほど、チームMVPにも匹敵するものだった。ただ、盗塁以外の面でも、実は“陰”での貢献度はピカイチなのである。

 まず、ここ数年チームの課題の1つだった右翼手のレギュラーとして見通しが立ったことは非常に大きい。前半戦こそ内野手としての先発出場が主だったが、後半戦からは外野で起用。持ち前の俊足はディフェンスでも生き、守備範囲の広さは首脳陣からも好評価を得た。また、自身がテーマとした「試合に出続ける」も開幕から8試合、最後4試合の故障欠場はあったが、チーム5番目に多い129試合出場、初の規定打席到達でクリアしたと言っていいだろう。

 打撃面でも“らしい”数字を残している。内野安打数「32」は両リーグ合わせてトップ。盗塁同様、足の速さの象徴とも言えるが、同時に、疎かになりがちだが非常に大事とされる「一塁への全力疾走」を常に実践しているからこその結果だろう。実際、どんな凡打でも、背番号2は一塁目掛けて必ず猛ダッシュ。その姿にファンは戦闘意欲を感じ、一層の声援を送った。

 また、犠打数13もチーム2位。総犠打数がリーグ最下位だったことも含め、決して多いとは言えないが、そのほとんどが下位打線を任されていた7月までの数字であることを考えれば、求められる役割をきっちりと果したと言える。

 攻守走すべてにおいて、もはや欠かせぬ選手となった。
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