不本意なシーズンになってしまった。キャプテン
嶋基宏は、今季わずか80試合の出場。プロ入り後、最低の数字となり「チームのこともそうですけど、途中ケガをして2カ月チームを離れたことが、一番悔いが残る。梨田監督を迎えて心機一転というところで、悔いが残るシーズンになってしまった」と振り返った。
不在が存在の大きさを際立たせた。5月18日の
オリックス戦(盛岡)の初回、ファウルを左手首付近に受け負傷交代。「左手豆状骨骨折及び左手三角骨亀裂骨折」という重傷だった。そこまで4連敗中だったチームは、精神的支柱を失い一気に9連敗を喫してしまう。梨田監督も「嶋も痛かったと思うけど、チームも痛い。扇の要だし、キャプテンとして頼りにしていた」と嘆くしかなかった。
3年連続Bクラスに沈んだシーズン後、チームに厳しい言葉を並べた。
「何とかみんなでつないで、小技を絡めて、そういう戦いをしていかないと上には行けない。走塁でも守備でも、イージーなミスが多かった。練習ではできていると思うけど、それが試合でできてこそプロ」
チームを愛する心が、言葉に熱を帯びさせた。
持っているFA権も、行使せず残留する。
「行使するなら今年が最後だと思っていた。生涯
楽天でいきたいなと、今のところ考えています」
震災以降、楽天を象徴する存在として戦ってきたキャプテン。重い荷物を降ろすことなく、来季も東北とともに歩む。