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中日 大野雄大投手・持ち前の明るさをチームに

 



 ベテランと若手の間にある見えない垣根を取っぱらいたかった。選手会長1年目の大野雄大が持ち前の明るいキャラクターを武器に、チームの和を問い続けた。

「言いたいことを言うのはプロの世界で当たり前だと思うんです。それが、陰口みたいになったらチームのまとまりがなくなります。年が離れていても、実績が違いすぎても、何か言いたいことがあったら直接言う。そういうチームにしたかった」

 就任間もなく、選手に「陰口はやめましょう」と呼び掛けた。これが、大野が選手会長になって最も言いたかったことだった。

 左腕の意見に中堅クラスもすぐに賛同した。田島は「大野さんのやりやすいように自分も動ければいいと思う」と語り、キャプテンの平田も「大野がマウンドだけでなく、いろいろなところで頑張るのは応援したい」と話していた。

 数字では、個人もチームも奮わなかった。シーズン序盤に左ヒジ痛で離脱したことなどが影響して7勝10敗。4年連続2ケタ勝利を逃した。チームも19年ぶりの最下位という屈辱を味わった。

 10月下旬。大野は祖父江、田島とともに愛知県内の寺にいた。森監督からの指令ではあったが、精神修業。早朝5時過ぎに起きて、座禅に掃除、小学校訪問という地域貢献に精を出した。

「無になる方法や、ここで教わったことなどをマウンドで実践したい」

 風通しのよい雰囲気づくりに徹し、チーム順位を上げたい。
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