超変革2年目の新戦力候補は
植田海だ。特に目立ったのは、10月下旬からメキシコで開催された「第1回WBSC U-23ワールド・カップ」でのパフォーマンスだった。
「来年が勝負の年になるんで、何とかやってやろうという気持ちでした」
優勝した日本代表チームのなか、主に「二番・遊撃」で出場した植田は自らの長所を存分に発揮した。バットでも打率3割(30打数9安打)を記録したが、大会最多となる6盗塁をマークしたのだ。
2014年に近江高からドラフト5位でプロ入り。2年目の今シーズンは両打ちにチャレンジしてきた。掛布二軍監督も「売りである足を生かしてほしい」と走り屋を認めた上で打撃向上を意識付けた。
今季最終戦になった10月1日の
巨人戦(甲子園)で一軍初出場を果たした。ウエスタン・リーグで成功率100%、12盗塁の植田は、代走で起用されたが二盗に失敗した。
しかし、植田本人は「何とかセーフになろうと思ったが、途中でつまづいた感じだった。あれを来年に生かしたい」と前を向いた。金本監督も「一芸に秀でる男」として伸びしろをうかがっているところだ。
今秋キャンプでは臨時コーチを務めた、陸上200メートルハードルのアジア記録保持者の秋本真吾氏から「身体能力が高くて技術が追いついていない」と潜在能力を評価された。
巨人でプレーした鈴木のような足で稼げる戦力になればしめたもの。植田は「練習の成果をアピールしたい」とどん欲に来季の一軍開幕を見据える。