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広島 新井貴浩内野手・来季も精神的支柱に

 



 決意のシーズンになる。4月26日に通算2000安打を達成した新井貴浩の2017年は“1人”で臨むシーズンになる。

 07年にともに広島をFAで出て、15年からともに復帰した盟友の黒田が今季限りで現役を引退。常にチームを思い、2人で引っ張ってきた。チームにとっても精神的支柱を1本失うことになる。「投手も野手も、さらに責任感を持って。絶対に来年も優勝するんだという強い気持ちを持てるかどうかだ」と新井は決意を口にした。

 思いは常に一緒だった。今季、黒田は7月23日に日米通算200勝を達成。同一シーズンで金字塔を打ち立てた。現役引退を相談され、日本シリーズ前の公表をうながしたのも新井だった。「僕も1人のファンだから」と新井。最後の登板だった日本シリーズでも「しっかり目に、心に焼き付けました」と言った。野球にかける思い、マウンドへの執着は誰よりも知っている。黒田なき来季は、チーム最年長となる新井にとっても大きな1年になる。

 準備も重ねている。シーズン後のわずかな休息を挟んで、すでにトレーニングを再開。「体はバキバキの状態」と笑う表情には充実感がにじむ。

「また1つ、歳を重ねるわけだから。まだまだ追い込んで、春のキャンプに備えていきたい」

 故障覚悟で極限まで追い込むトレーニングは変わらない。40歳で迎えるシーズン。本当の力が試される広島を、ベテランが引っ張る。
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