ここ数年のチームにあって、二塁のポジションは固定することができない状態だった。そこで定位置獲りにチャレンジするのは、「勝負をかける」と言った
上本博紀だった。
今季不本意に終わったこともあり、背番号「4」から「00」に変更した。上本本人が再スタートを切る強い覚悟の表れにほかならない。
「来シーズンは、自分のため、チームのため、そして、何かのためにと思って、しっかりとやっていきたい」
今季は昨年より大幅に少ない(15年は108試合出場)45試合出場にとどまった。二塁で
大和らと争ったが、開幕直後に二軍落ちしてしまった。再び昇格すると、今後は腰痛のアクシデントに見舞われた。
一、二軍を行ったり来たりの状況で、起用法においては、二塁以外でも、約3年ぶりの三塁で出場するなど、めまぐるしいシーズンになった。
もともと上本の強みは、小柄ながら長打を見込めるバッティングにあった。それも9月22日の
広島戦[マツダ広島]での第2号が打ち止めとなり、自身の長所を生かすことができなかった。
今オフには選手会長も返上して来季を見据えることになった。そして、再び二塁のポジションで、レギュラー奪取の競争に加わることになる。
愛着のあった背番号も、ポストもかなぐり捨てた上本は「アピールというより、自分ができることに全力を尽くしたい」と、メラメラと燃えている。