常夏のハワイで過ごす仲間たちをよそに、さらに決意を固める幸せに浸った。優勝旅行を回避して新しい家族の誕生を見守った
増井浩俊だ。2016年は開幕から定位置と見られていた守護神を任されながらも、シーズン終盤から先発へ配置転換。破竹のブレークを遂げて「10勝&10セーブ」という快記録で10年ぶりの日本一へと貢献した。激闘の疲れを癒やしているオフの12月10日。最高のニュースが飛び込んだ。
「より一層頑張らないといけない」
発奮する新シーズンへの力水となる第3子の長女が誕生したのだ。
その8日前の2日の契約更改交渉で、一大決意を表明したばかりだった。球団フロントらとの席上で、増井個人の17年の構想を問われた。
「試合の最後を締めたい。あの緊張感の中でもう一度、やりたい」
17年は新境地を開拓した先発ローテーション候補と目されていたが、迷うことなく抑えへの返り咲きの野望を伝えた。複雑な思いを抱えながら、まっさらなマウンドで躍動し続けたが、逆に強いこだわりを再確認した。
クローザーは17年で来日2年目の
マーティン、時に代役を務めた谷元らライバルがひしめく。栗山監督の青写真も判然としていない状況だが、増井は本音を隠そうとしなかった。
「セーブ王を一度取りたい。まずは40セーブという数字が目標」
15年は39セーブを積み上げて信頼を得た守護神の座。最愛の娘の誕生を華麗なるカムバックへの原動力にする。