こんなはずではなかった。2シーズンで0勝。2016年は一軍登板なしだった。15年のドラフト1位・
野村亮介は崖っぷちでもがいている。
「プロに入って考え過ぎたところもある」
自らのフォームを見失い、試行錯誤の連続。右肩痛や内転筋痛など相次ぐ故障にも悩まされた。だからこそ、フォーム改造に着手した。
テークバックの瞬間に顔が上を向いてしまう独特のクセを解消しようとしている。「小学校からそうでした。その後、指摘されても変えようとは思わなかった」。このスタイルでプロの世界までたどり着いたという自負もある。だが、野村はチェンジを選んだ。
二軍の高山チーフ投手コーチは「バランスが悪くなっていた。アゴを締めてムダをなくすことで、球をもっと前で放てる」と効果を説明する。シーズン終了から本格的に着手し、秋のキャンプでは連日の投げ込み。さらに12月には台湾で行われたウインター・リーグにも参加し、実戦でも体に染み込ませた。
チームは4年連続のBクラス。低迷の要因の1つとして、近年のドラフトの失敗も挙げられた。特に高卒選手の指名がゼロとなった15年入団の9選手は、軒並み苦戦を強いられている。その象徴のようにドラフト1位がやり玉に挙がる。
「結果がすべての世界。言われても仕方ない。やるしかない」
12月23日には入籍を発表。責任感は増している。