新たなチーム作りを主眼に置いている。栗山英樹監督は日本一連覇へ「昨季と同じことをやっていては勝てない」と危機感をあおってきた。

　オフには陽が巨人にFA移籍。左腕エースだった吉川もトレードで巨人に放出。交換相手として大砲候補の大田を獲得した。強さを増して生まれ変わるための血の入れ替えを断行した。

　特に熾し 烈な争いが繰り広げられそうなのは外野陣。左翼の西川以外はポジションが確定していない状況だ。新戦力の大田、俊足強肩の岡や淺間、打撃が魅力の近藤など候補は多数。守備面も打撃面でも肝となりそうな中堅と右翼のレギュラー争奪戦の行方は今季を占う競争だ。

　先発は増井が守護神への再転向を直訴し、一気に状況は混沌とした。栗山監督も増井の熱意を受けて先発構想を練り直した。大谷が昨季の日本シリーズで痛めた右足首への不安を取り除けていないことも大きい。昨季から頭角を現した高梨、加藤らは未知数の部分もある。

　ブルペン陣は質量ともに豊富。ニュー先発陣の構築も課題となる。

　若手の台頭も連覇へ必須要素だ。栗山監督は今季のテーマを「激進」と設定。

「大きく進化しないと。マジですかというメンバーで開幕を迎えたいね」

　レギュラー安泰は1人もいない。誰もが昨季までと違う姿を求められている。

　現状に慢心することなく、チームの変革を進めた先に再び栄光が待っている。