3年連続のBクラスから脱け出すことが、新監督に課せられた至上命題だ。そのために、まず着手するのが、内野守備の強化。昨季はチーム打率、総得点数がいずれもリーグ2位だった一方で、失策数は両リーグの中でワースト。現役時代『守備の名手』と称された内野手だっただけに、新指揮官に対する球団からの再建への期待度は高い。さらに、2013シーズン以来レギュラーが固まっていない遊撃手の固定も「僕の大きな仕事」だと自覚する。就任直後から、外崎、呉ら候補選手に自ら手本を見せ、グラブの出し方、体の入れ方など、基本的な部分から教え込んだ。今キャンプでは、新たな候補者としてドラフト3位の源田をA班に帯同し、定位置争いを激化。誰を選び、遊撃レギュラー争いにピリオドが打つか、注目だ。
コーチ、監督として二軍を率いた経験もあり、結果を最重要視しつつも、若手育成への意欲も強い。
「その選手を使いながら、私がどこまで我慢できるか。若い選手を育てながら、勝ちにいきたい」
目先の勝利と選手の成長、どちらを優先するかの選択は、試合によっては難しい場面も出てくるはず。そこにこそ、”辻カラー”の1つが見られると言えるだろう。2月1日最愛の父が他界した。1月30日に、すでに別れは済ませ、「親父も分かってくれている」と、葬儀には出ず、チームにとどまった。「優勝」こそが、自分を野球に導いてくれた父の遺志。必ずや果たすことを誓う。