2月1日、南郷スタジアムでのキャンプ初日、グラウンドにひと際目を引く背中があった。
『3 ASAMURA』
その日、「もう、(撮影で撮られるのが)背中ばっかり」と
浅村栄斗は苦笑していたが、その表情には、今季への並々ならぬ思いが満ちあふれていた。
昨年末、念願の背番号を受け継ぐことが決まった際、「ライオンズの顔という人たちが着けてきた番号。自分もその顔になれるように頑張りたい」とあこがれてやまない『3』の前任者、
中島宏之(現
オリックス)を超える存在になることを胸に期した。さらに辻監督からは主将に任命され、チーム成績にも、より一層の責任を背負わなければいけないと、心した。
そうした自覚の表れだろう。キャンプ初日から精力的にバットを振った。個別練習の時間になると連日、ロングティー打撃に励んだ。体全体を大きく、正しく使った豪快なフルスイングで、気持ちよさそうにサク越えを連発していく。12日に行われたシート打撃では早速、“今季第1号”本塁打を放ち、好調をアピール。守備面でも中村とともに特守を受け、安定感を示した。「自覚が見えるね」と指揮官も、充実したキャンプを過ごす背番号3の姿に、うれしそうに目尻を下げる。
自分の成績が、チーム成績に直結すると理解し、「すべての数字でキャリアハイ」を自らに課す。主将として、ライオンズの顔として、期待に応えようと励む浅村が今季、輝きを増すことを確信した。