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中日 ロンドン投手・クローザー候補に浮上

 


 その数字を見れば、最終回を任せたくなる。3月2日の日本ハムとのオープン戦[札幌ドーム]。7回に登板したホルヘ・ロンドンが腕を振ると、大型ビジョンには「159キロ」が表示された。中日では過去に与田剛らが記録した157キロが公式戦チーム最速。開幕前に悠々と上回り「出るとは思わなかったよ」と笑った。

 自称する最速は101マイル(約162.5キロ)。186センチ99キロの馬力ある体格から繰り出す剛球は「自分の特徴」と胸を張る。春季キャンプ初日から151キロを計測し、日を追うごとに上昇。制球面も問題ない。初実戦となった2月24日の韓国・ネクセンとの練習試合(読谷)では、ストライク先行で三者凡退に抑えてみせた。

 頼もしい姿は、指揮官の構想にぴたりと重なりつつある。森監督は、制球の“乱高下”が少ないことを条件に「いいほうに行ってくれるんじゃないかなというものはある」と強調。昨季途中からクローザーを担った田島との盤石の方程式を描く。そうなれば、同じく新加入の身長2メートル左腕アラウホを先発に回す選択肢も出てくる。

「クローザーを勝ち取りたい気持ちはある」とロンドン自身も鼻息荒い。選球眼が良く、失投を逃さないという日本人打者の特徴を肌で感じ「しっかり際どいコースにも投げていかないといけない」。単に速いだけの無鉄砲右腕では大役は務まらない。助っ人の名にふさわしいスピードと結果を、異国で示してみせる。
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