特別、夏を得意としているわけではないが、「嫌いでもない」と苦手意識もないという
十亀剣。というのも、社会人野球を経験しているからだ。「まさに、(都市対抗野球の)真っ只中。夏にピークを持っていくようにしていましたからね」。プロに入って6年目と、当時からはずいぶんと年月は経ったが、それでも、蒸し暑い中で状態を上げていく方法は心得ているようだ。
実際の成績を見てみると、キャリア全体を通して、6月の梅雨時に状態を落とす傾向が強いが、7、8月の真夏の時期はほとんど大崩れしていない。昨年も、自身としては非常に苦しんだシーズンとなったが、その中でも7月は7試合(うち、先発2試合)で2勝0敗1ホールド、防御率2.16と月別で最高成績を挙げている。さらに今季は、本人が課題と認める6月を、22日現在2勝0敗、防御率3.12と乗り越え、夏本番へ向けより一層士気を高めている。
交流戦終了時点で、チームは3位につける。「ここからは、中継ぎもしんどくなってくる。その中で、(菊池)雄星ともう一人、僕が長いイニングを投げて中継ぎの負担を減らすことができるかが、大きなポイントかなと思います」。
23日からリーグ戦が再開したが、「平均球速も含め、今、毎試合同じように良い状態で投げられています。今年は自分ではなく、しっかりと試合に向き合えている」。自覚と自信に満ちる右腕が、4年ぶりAクラス、さらには2008年以来のリーグ優勝、日本一の悲願達成へ向け、大きなカギを握る。