助っ人という意識は、自身にもチームにもない。来日6年目のブラッド・エルドレッドはチームに完全に溶け込み、本塁打、打点を量産。2014年以来の30本塁打も視界にとらえてきた。
「チームのために何ができるか。自分の仕事は走者をかえすこと。本塁打を打てるに越したことはないが、打点がつけばいい」と胸を張る。
今季は「何でも僕のことを知ってくれている」と絶大な信頼を置く首脳陣から、休みを挟みながら起用されている。信頼関係があるからこそ、出場できないフラストレーションは少ない。首脳陣にとっても、ここ一番での代打起用も可能になり、選択の幅が増えている。エルドレッドは37歳ながら野手の外国人では一番の評価。シーズン中盤に一軍登録された
バティスタや
メヒア、今季から加入したペーニャが一、二軍を入れ替わっても、エルドレッドが動くことはなかった。
チームメートとの相性も抜群だ。入団以来「カントリー」の愛称で親しまれてきたが、今季に入ってからは「カンちゃん」とも呼ばれるようになった。「本当は全部分かっているんだ」と日本語も大筋で理解。お立ち台で日本語を喋るなど、ファンのハートもつかんで離さない。
2年契約の1年目で、来季も
広島でプレーするのが既定路線。「カンちゃん」は満点の活躍だ。
写真=BBM