チームの勝利につながる数字を積み重ねる
代名詞の奪三振で節目の数字を突破した。
則本昂大は4月6日の
ソフトバンク戦(
楽天生命パーク)で、通算1000奪三振を達成。958イニングでの達成は、
藤川球児(
阪神)、
野茂英雄(近鉄)、
石井一久(
ヤクルト)、
江夏豊(阪神)に次ぐ史上5番目のスピード記録だった。「積み重ねないとできない記録。そこは自分を褒めてもいいかなと思います」と淡々と話した。
三振は目的ではなく、あくまで勝つための手段。その信念を貫くエースらしく、節目の1個は大事な場面でのものだった。1点差に迫られた3回、二死一、二塁。四番・
内川聖一を最後はフォークで空振り三振に仕留めた。これで相手の流れを止めると、5連敗中だったチームに大きな白星を引き寄せた。
それでもプロ6年目は、試練のシーズンだった。5月19日の
日本ハム戦(札幌ドーム)では、1000投球回という節目も突破。最終戦では何とか新人から6年連続2ケタ勝利も達成したが、満足のいくシーズンではなかった。チームが最下位に沈んだこともあり「プロ生活の中で一番悔しい、情けないシーズン」と総括した。
来季への思いは強い。今季は体調不良に苦しんだこともあり「1年間健康でいられるように、自主トレ、キャンプとしっかり体をつくっていきたい」。目標を聞かれると「優勝するために、僕も全力で腕を振りたいと思います。どんなタイトルより優勝が欲しい」と言い切った。「1000」の数字は通過点。チームの優勝のため、来季も数字を積み重ねていく。
写真=BBM