常に場面を想定して練習する
プロ13年目も、守備で勝利に貢献する。チーム内の「名手」と言えば、
大引啓次だ。近年は途中出場が増えており、6月に35歳を迎えるベテランは、準備の大切さを口にする。
「練習からしっかり準備しといてという感じですね。今は、試合で急に行くことが多いので。難しいことは難しいですね」
積み上げてきた実績と経験がある。
オリックス時代の2012年には、遊撃手でパ・リーグ1位の守備率.987を記録。
ヤクルトに移籍後の16年にも99試合で失策はわずか4、セ・リーグ1位の守備率.990と抜群の安定感を誇る。昨季は遊撃手で1試合の出場に対し、三塁手では44試合に出場しており、最近はホットコーナーを任されることが多い。
「ショートだったら、打球が飛んでくるまである程度の時間があるんですけど、サードは間が一瞬なので。ラッキーなバウンドだったり、アンラッキーだったり。なんとか一つでもアウトを取れるようにはやっていますね」
難しさを感じながらも、さすがの対応力でカバーする。さらに、準備の時間ではあえて自身に重圧をかけることが、本番で最高のプレーを生んでいるという。「一番最悪のケース、一番難しい打球をさばくというか。試合前練習のときにあえて自分に負荷をかけてとか、難しいシチュエーションとか、常に終盤の1点差だったりとかを想定して守っている、数はいらないかな」と大引。守備の極意を知るベテランがチームを救う。
写真=BBM