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広島・床田寛樹 手術を経て復帰し4連勝!/序盤戦MVP

 



 床田寛樹がいなかったら、今季の広島はどうなっていたか。序盤戦を支えた最大の功労者は、間違いなく背番号28だ。2017年に左ヒジの「トミー・ジョン手術」を受け、昨年は一軍登板なし。一軍での経験は1年目のわずか3試合。そんなことを感じさせないマウンドさばきで、ゴールデンウイーク終了までに4勝を挙げた。

 1カ月を越えて先発ローテーションを守るのは初めての経験だ。調整法を佐々岡投手コーチやチームメートに聞きながら、次の登板に備える。「探りながらです」と試行錯誤しながら、中6日、もしくは中5日の登板間隔で結果を出してきた。いつも新鮮な気持ちで、日々を送っている。

 今季初戦の3月30日の巨人戦(マツダ広島)では敗戦投手も、2戦目の4月6日の阪神戦(マツダ広島)で724日ぶりのプロ2勝目をマーク。そこから4連勝した。同13日のDeNA戦(横浜)ではプロ初完投。127球投げるのはプロになって初めてだったが、最後まで力強く腕を振った。

 5月3日の巨人戦(マツダ広島)では快勝ペースが味方の失策で暗転し、自身5連勝を逃した。それでも「エラーはしょうがない。そこで踏ん張れなかった自分が悪い」と言い訳はしなかった。チームが8回に勝ち越して勝利を収めたことを、むしろ喜んだ。その言動は、頼もしさすら感じさせる。

 今後はデータを集めた他球団に徹底して対策されることが予想される。それでも床田は、その上をいく投球で勝ち星を重ねていく。

写真=BBM
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