夏になると、球威が増す。
楽天時代に他球団からひそかに恐れられたのが、菊池保則だ。
2014年8月は5試合に登板(うち先発3試合)し、2勝0敗、防御率1.93。15年8月は4試合に登板(うち先発3試合)し、1勝0敗、防御率2.25。16年は、8月に一軍初昇格し、2試合の先発で1勝0敗、防御率1.64。
データの上でも、暑くなると簡単に打たれなくなる傾向が出ている。
菊池保は夏に強い傾向について「暖かいほうが体が動く感じはあります」と話す。
全力投球の球速が上がるというより、普段と同じ感覚で投げているのに球速が数キロ上がるようなイメージ。無理に力を入れなくても、球が走るような感覚だという。どの選手も疲れがたまる時期だが、それに逆行するように調子を上げ、打者を料理していく。
もちろん、暑さ対策もしている。水分を多くとることだ。もともと足がつりやすく、その対策のためにも練習時から大量の水分をとる。同時に塩分を補うことも忘れない。
スタミナをキープするため、食事もしっかりとる。食欲がなくても、消化のいいものを胃に入れ、体力を落とさないよう気をつけている。
ロングリリーフもこなすタフネス右腕。どんな場面でも変わらぬ安定感で仕事をまっとうする姿は、頼もしいというしかない。移籍1年目だが、もはやブルペンに欠かせない存在となった。得意の夏もチームを支える。
写真=BBM